ニキビ跡や肌の状態改善のためにダーマペンの施術を検討されている方の中には、ダウンタイムが気になる方もいらっしゃるかもしれません。せっかく施術を受けるのであれば、ダウンタイムや痛みなどデメリットについてもしっかりと把握してから施術に臨むほうが、後悔なく施術を受けることができます。
この記事では、ダーマペンのダウンタイムについてや、ダウンタイムを短くするために有効な対策について解説してきます。
ダーマペンとは?
ダーマペンは名前通り、ペン型の機械を用いる施術です。これを使って髪の毛よりも小さい穴を多数開け、傷が治ってくる過程で分泌されるコラーゲン産生を促す治療です。
肌の状態や目的に合わせて針の長さを調節することで、ニキビ跡や小ジワ、毛穴の開き、肌質改善(ニキビ肌、ごわつき肌、くすみ肌等の改善)など幅広い治療効果が期待できます。
現在当院で用いているのは、ダーマペン4という機械です。10年前に初代が発売されたのですが、その後改良を重ねて4世代目の機械となっています。
ダーマペン4の特徴は下記の通りです。
ダーマペン4の特徴
- FDA承認
- 1秒間に1,920個の穴をあけられる
- 振動数120回/秒
- 針の数が多く、細い
ダウンタイムとは?
ダウンタイムとは施術を受けてから一時的に皮膚の状態が悪化(赤みやかゆみ・腫れなど)し、それが改善するまでに必要な時間のことです。
多くの美容施術ではダウンタイムがあり、それはダーマペンも例外ではありません。
美容効果を期待して施術を受けるのに一時的に状態が悪くなったように見えてしまうのは残念ですが、皮膚が再生するまでの時間ですのでゼロにすることはできません。
ダーマペンのダウンタイムについて
上でも述べた通り、ダーマペンの施術にもダウンタイムはあります。これはダーマペンが皮膚に穴を開ける施術であるという点を考えても理解しやすいかと思います。
では気になるのは、ダーマペンのダウンタイムがどのくらいかという点ですよね。これはダーマペンでどの程度の深さまで針を刺すかによって変わってきます。
皮膚の構造について簡単に説明すると、皮膚は最も浅い部位から順番に角層・表皮・真皮・皮下組織に分けられます。
ここで表皮/真皮/皮下組織まで針を刺す場合、ダウンタイムはおおよそ2日/2〜3日/4〜7日程度と考えていただくと良いでしょう。長くても1週間を越えることはまれです。針を刺す深さはどのように決定するかというと、治療目的によって変更します。
例えば、皮膚表面にあるニキビに対してや美白効果を期待して行う場合は表皮までで十分ですが、毛穴ケアに対して行う場合は真皮まで達する必要があります。しっかりとしたニキビ跡などの場合は皮下組織までの施術が必要になってきます。
また、ダウンタイムが最長で7日間といっても、7日間ずっと同じ状態の大きさで続くわけではありません。一般的には施術直後〜2日程度がもっとも症状が強く見られます。
ダーマペンのダウンタイムが最長7日間といっても、他の施術と比較すると長いのかどうかが気になるところですよね。
ダーマペン以外に皮膚の深部にダメージを与え再生させる治療としては、レーザー治療であるCO2フラクショナルが代表的です。こちらの治療はレーザーによる熱を加えるため(ダーマペンは穴を開けますが熱は加えません)、ダーマペンと比較してダウンタイムが長くなりやすく、10日程度かかるとされます。また期間だけでなく、赤みやかさぶたなどダウンタイムに見られる症状もダーマペンよりも強くなります。
ではダーマペンのダウンタイムではどのような症状が見られるのでしょうか?
具体的には下記のような症状がダーマペンのダウンタイムにみられる症状として代表的なものです
- 出血による肌の赤み
- ほてりやヒリヒリ感
- 発疹・かゆみ
- むくみ・腫れ
- 皮剥け
ダーマペン4ではダウンタイムが短めになりやすい
上でも述べましたが、ダーマペン4の特徴は下記の通りです
- 1秒間に1,920個の穴をあけられる
- 振動数120回/秒
- 針の数が多く、細い
ヘッドについた針の数が16個と多く小さくなっており、1秒間に開けられる穴の数も1,920個と従来の機種よりも増加しています。このように小さな針が多数ついていることによって、痛みが少なく、かつ短い時間で施術を終了することが可能というメリットがあります。
また針や針を刺す際の圧などが改善されていることもあり、従来の機器と比較するとダーマペン4では治療中の痛みやダウンタイムが短くなる傾向があります。
施術による効果を十分に得ることができ、かつデメリットであるダウンタイムは短くなっているという点がダーマペン4による施術の特徴と言えますね。
ダーマペン4では、ダウンタイムが短くなっているとはいえゼロではありません。ではどのような対策を行えば、ダーマペンによるリスクを減らすことができるのでしょうか?次はこの点について解説します。
ダーマペンのリスクを減らすためにできる対策
ダーマペンのダウンタイムを短くしたり、合併症を減らしたりするためには施術直後のセルフケアが大切です。
ダーマペンは皮膚にダメージを与える施術のため、施術直後は肌が弱ってしまっています。ダウンタイムを短くするためには、弱った肌に過剰な刺激を与えないようにすることが大切です。
とくに施術当日は12時間洗顔やメイクを避けるようにしてください。日焼け(紫外線)による刺激も当然避けることが必要なのですが、12時間の間は日焼け止めの刺激もなるべく避けていただいた方がよいため、帽子やサングラス・マスクなどで直射日光を遮るように工夫してみてください。メイクは基本的に翌日から可能ですが、ここでも肌が赤みを帯びていたりかゆみがあったりする場合は数日間様子を見ていただくことをおすすめします。
また施術当日は血流が良くなると腫れや炎症が悪化することがあるため、入浴や飲酒・激しい運動は避けるようにしてください。
翌日以降心がけていただきたい点は、引き続き肌への刺激を避けることに加えて保湿をしっかりと行うことです。刺激を避けるために、洗顔フォームは敏感肌用のものを使っていただく、(紫外線による刺激を避けるため)日焼け止めをしっかりと塗ることが大切です。施術部位をむやみに触ってしまうと刺激になるため、なるべくこすらないように注意してください。洗顔後は肌から水分が蒸発してしまうため、なるべく早めにしっかりと保湿を行うよう心がけましょう。
ここまでダウンタイムやダーマペンによるダウンタイム、そしてその対策方法について解説してきました。続いてダーマペンを使う際、そのほかに気になる点である痛みや傷について次は解説します。
ダーマペン 痛みや傷について
ダーマペンの施術は皮膚に穴をあける施術ということで、痛みが気になるという方も多いでしょう。しかし結論から述べますと、施術中は痛みを感じない方が多いです(チクチクとした痛みを感じるかたもいらっしゃいます)。これは施術前に麻酔クリームを塗布してから行うためです。
続いて傷についてです。ダーマペンでは穴を開けるため傷を心配される方もいらっしゃいますが、ダーマペン4の場合あける穴は0.2mmと非常に小さいため、施術自体の穴が残るということはありません。
ただし、針を刺す深さや部位によっては出血することがあります。この点と関連して、出血しやすくなるような病気(血友病や特発性血小板減少性紫斑病)や内服薬利用(アスピリンやワーファリンなど高血小板薬・抗凝固薬と呼ばれる薬)があると施術を受けられない場合があることに注意してください。
まとめると、ダーマペンによる痛みはゼロではないもの、適切な麻酔クリームの使用によりかなり抑えることができます。このためあまり心配しすぎる必要はありません。
セルフダーマペンについて
これまで述べてきたようなダーマペンの施術を受けるためにはクリニックなど医療機関を受診する必要があるため、個人で手軽にできるセルフダーマペンを行われるかたもいらっしゃいます。
しかしダウンタイムという観点からみると、セルフダーマペンはあまり推奨できません。
というのも、セルフダーマペンはどうしても針先が不衛生になりやすいためです。ダーマペンは肌に針を刺してダメージを与えるという施術ですが、不衛生な針でこの施術を行うと針先から皮膚に細菌が入ってしまい、感染をきたす恐れがあります。感染が生じてしまうと当然ダウンタイムは長くなり、場合によっては抗生剤の内服・点滴などの処置が必要になる恐れもあります。このように、炎症・感染が長引いてしまうと、一旦感染症が治っても炎症後色素沈着とよばれる色素沈着が残ってしまう恐れもあります。こうなると治療にも長い時間が必要となってしまいます。
また針を刺す深さについても、施術に慣れたスタッフが行う場合と比較して、御自身で行う場合は必要以上に深くまで針を刺してしまう可能性が考えられます。深く針を刺してしまうと、当然肌が回復するまでにかかる時間も長くなってしまい、ダウンタイムも長くなってしまいます。
このような理由から、ダーマペンの施術を受ける際は御自身で行うセルフダーマペンではなく、専門のスタッフと衛生的な機器管理を行なっている医療機関での施術を受けることがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はダーマペンのダウンタイムや痛み・傷などを解説してきました。ダーマペンはニキビやニキビ跡に対して有効な施術ですが、プラスの面ばかりでなくダウンタイムや痛み・傷などを伴う施術でもあります。
こんなはずではなかった…と後悔することのないように、あらかじめダウンタイムについて、またダウンタイム対策方法について知っておいていただけるとよいでしょう。
ダーマペンの施術が気になっている方は、お気軽にレイクタウンクリニックでのカウンセリングを受けてみてください。